初等学部の理事長で、幼稚園の園長でもある港先生の熱い想い

2010年5月の記事一覧

ファミリア

ファミリアとは家族と言う意味だけれども、ファミリアで食べる5年生が作る自炊給食は実にうまい。おかわりの列が長蛇の列だ。全児童合わせてもたいした数ではないから長蛇といってもたいしたことはないけれど、1・2年生を気遣う3年生5年生の姿にうっとりする。確かに家族と言う気がする。優しさが育たなければ本物の強さは育たないから、とても良い傾向にある。

昨日1年生と2年生に泥んこパンツの購入を勧めたが、2年生の女児については家族の判断に任せますので強制はしません。大きなユンボがあるので田んぼを造ったり、泥んこプールを作ったりします。

幼少期はなぜ泥んこが好きなのかとのお尋ねがありました。
別に好き嫌いというジャンルでくくることではなく、内面にあるもやを吹き消すには泥遊びは最適です。しかも泥につかって周りを気にすることなくそれに没頭できることは、自己を開放することであります。それは夏にしかやりません。泥のぬくもりと母親のぬくもりを一緒に感じられるのでしょう。そうして気持ちを安定させていくのでしょう。もうひとつ、泥は子ども達の身近にある科学的な道具であるのです。水の加減によってどうにでも変化するとても感動的なものであります。

気持ちを安定させるだけのものなら、泥遊びに限りません。新聞破きや何でもいいから破壊的行動など、塗ったくり。全てストレス解消になるけれども、泥んこプールなどは最高にいいだろう。これは何も幼稚園の専売特許ではない。小学校低学年でも必要なことなのだ。「もう小学生なのだから服は汚さないで!!」などと無理解なことは言わないで。汚してくる服を洗える幸せをかみしめて欲しい。

内面の育ちはその年齢に応じた育ちを大切にしよう。能力はいくら磨き上げても良い。しかし年齢にあった言葉遣いが必要だし、遊びが必要だ。

初等学部のことばかり書いているようですが、幼稚園が基本ですから二つの幼稚園に行って気がついたことがあると、保育者を呼んで耳打ちをします。幼稚園も小学校も大切なことは子ども達が明るい笑顔を保っていること。気になることは一人で寂しい顔をしている子はいないかということです。今楽しいと感じていることの持続こそが幸せになる道です。私達は皆ファミリアですから。力を合わせて楽しく生きてまいりましょう。

やることがまだ残っている

脳梗塞と言う私には無縁だと思っていた病気にかかってしまった。病院に入る10日前頃からこのブログを書いていて変換すると、めちゃくちゃな文字に変換されていて、打ち方を間違えたと思い何度も打ち直しをしてみても同じ結果しか出なかった。多分パソコンが壊れたと思ってそのままにしておいた。

あくる日に続きを書こうと思って、普段どおりにキーを打ってみるとやはりうまくいかない。きっとこれは脳の仕組みが少し壊れたのかとそのろきはじめて思ったが、しばらく経つと治るのではないかと誰にもそのときのことは話さなかった。今度はパソコンの前に立つのが怖くなってブログもそのままにしておいた。

それから4~5日たって幼稚園で保育者にお茶を出されてそのお茶を飲もうとしたが湯飲みが持てずに、湯飲みを下に落としてしまい、湯飲みを割ってしまった。近くで見ていた保育者数名がすぐに車を用意して私を病院に運んでくれた。半ば強制的に有無を言わさず私を運んでくれた。私もよく素直に従ったと思っているが心から感謝している。

病院で自分の名前を書くときにうまく枡の中に入らなくて、自分自身でも「これじゃほんとに参ったな」と思った。即座に入院となったが、ベットの中で「今はまだやることが残っている。もう少し生かして欲しい」と真剣に祈った。

退院して(ほとんど無理やり)学校に来ると、ある子どもから手紙を貰った。「先生がかかった脳梗塞に良い生活」と不ぞろいの文字を並べて私にくれた。最後に「先生のかかった病名はわからなかったのですが、血管や血流に良いことを調べました」とあった。思い出して書いているだけでも熱いものがこみ上げてくる。「ありがとう」。

書きたいことがあふれている

今日の1年生は幼稚園でも通用するようなすごい動きだ。泥んこプールだと言ってわざわざ蛇口をひねって水溜りを作ってその中に飛び込む。ペットボトルに水を入れて頭からかける。泥水の中に飛び込んでいって水しぶきがあがるのがとても気分がいいようだ。まるで幼稚園の年少さんや年中さんのようだ。結構開放できたのではないかと思う。

2時間ぐらいやっていたけれど、担任も一緒になって泥の中を横断したりして、子ども達に泥水をかけられキャーキャーと言って騒いでいる。担任が一緒になってやってくれるので何も気兼ねせずに没頭して遊びに集中できる。幼稚園を経験している教師だからこそできることだ。ブランコに乗りながら「1時間目遊び」「2時間目遊び」「3時間目も遊び」「4時間目も遊び」と節を付けて歌っている。「オイオイいつ勉強するんだよ!!」と私が言うと、全員が私を無視して「5時間目も遊び」と歌いだした。担任が私の隣でげらげらと笑っている。いい風景だ。

子ども達が緊張感を持たないで堂々とそのような歌を歌っていることはとてもいいことだ。このような生活が学校の中にあるということを体感してくれただけで、これからの授業に集中して取り組むことができるだろう。遊びばかりじゃだめだけれど、教室の中にすし詰めにして机上の授業ばかりしていたのでは、こちらのほうが人間の育ちとして害が大きい。

これからこのようなことを頻繁に取り入れていくので、運動着だけでは着ているものが不足してしまいますので、1・2年生にはあおば台幼稚園で取り入れている泥んこパンツを、全員が購入していただきます。幼稚園と同じ1着1400円です。3年生でも欲しい人は連絡帳でお知らせください。泥んこをやるときにはその泥んこパンツをはいてやります。そうするときれいな制服のままで帰ることができます。

もひとつシャワー室が必要になりました。現在井戸を掘ることで業者の人と交渉中です。井戸ができたら水とお湯の出るシャワーを作ってあげたいと思います。男子の場合は外の馬小屋のところにあります。これはもともと馬のために作ったのではありません。今までそのような遊びがなかったために使われなかったのです。これからは両手両足をびゅんびゅん伸ばして生活できる学校づくりにまい進していきたい。シャワーもどんどん使って、勉強するときは一点集中型で取り組むことが必要です。

大きなユンボ(穴を掘る大型重機)を借りてきました。いよいよ池を掘る作業に入ります。池を掘って、川を作ってそこにカヤックを浮かべ、出てきた土で山を作ってそこで子ども達にマウンテンバイクを走らせる。そんなことを友達に話したら「霞ヶ浦を買っちゃえよ」だって。やるといったらやるんだ。子ども達が私のまねをするんだ。途中で決して投げ出さない。子ども達が描いたアスレチックを頓挫させてはならない。見ていてください。