初等学部の理事長で、幼稚園の園長でもある港先生の熱い想い

2015年11月の記事一覧

講演会

堀真一郎先生をお呼びして保護者会主催の講演会があった。堀先生は、イギリスの教育学者ニイルの著書5巻を翻訳した教育者として日本では有名な方である。大学の先生をしていて、それを投げうって自ら『きのくに子どもの村学園』という学校を中心に何校かを経営しているので、彼の学問は机上の学説ではない重みのあるものであって、著書でもいつの間にか引き込まれてしまう魅力がある。信じて来たものを具現化して、これが真に子どもたちを幸せに導くものだという信念がある。私は彼の著書の一つである『きのくに子どもの村の設計』を、身震いしながら読んだ記憶がある。大学教授の退職金では学校経営は困難だろうから、それなりのご苦労はなさっているはずなのに、それはおくびにも出さない。

もっとも現在が順調ならそんなことは懐かしい昔のことであって、ことさら大変だったことなど思い出さないものでもある。私もいつかお呼びして、ご講演を戴きたいと思っていたけれど、保護社会の会長からいとも簡単に『堀先生を読んで講演会をやろう』と平然と言うものだから、駄目もとでもよいから思い切ってお願いをしたところ思いかけなく快諾を戴いたのでありがたかった。ちょっと失礼かなと思いながらもやってみるものだ。新たに強烈な図々しさが体中にみなぎったような気がした。

このところ男子生徒の高学年が野球らしきものをやっている。いわゆる三角ベースという奴だが、学年だけでは人数が足りないので、色々な学年が入り混じってやっている。男子だけではなく必要とあらば女子まで一緒になってやっているのを見た。今日などは女子だけが外に出てバットを振り回している。なかなかバットにボールが当たってくれない。見ている方がイライラしてくるが、当の本人たちは一生懸命なのだろうなと思う。校庭や中庭などを見ても、よく子どもたちは走り回っている。なんだか分からないけれど楽しいのだろうな。

3歳児の保育参観が第二幼稚園であった。保育参観のあとは私がお話をすることになっているけれども、実際3歳児について話などない。無邪気で可愛らしくて、あの子たちを見ていて母親に何を示唆するようなことがあるだろうか。今はこのままでよい。あるがままの姿を抱きしめてあげる。これ以上何もないではないか。『お幸せに』と手を合わせたい。