初等学部の理事長で、幼稚園の園長でもある港先生の熱い想い

虐待の判断と見分け方

これは何日か前に研修に行ったときのノートで、終業日前に保護者の皆さんにお渡ししたかったものです。時間がなくて書けなかったことをお詫びしながら書くことにする。

 

虐待の判断と見分け方。

①泣いていても放っておく ②食事を与えない ③ける ④大声で叱る ⑤お尻を叩く

⑥手を叩く ⑦頭を叩く ⑧顔を叩く ⑨つねる ⑩物で叩く ⑪物を投げつける

⑫傷つくことを繰り返し言う ⑬浴室などに閉じ込める ⑭家の外に出すことがある

⑮子どもを家に置いたままでかける ⑯裸のままにしておく ⑰子どもの体に噛み付く、など

 

以上17項目

上記の項目に しばしば(3点) ~全くない(0点)で合計10点~11点(虐待傾向)

         12点以上虐待と判断される。

 

この資料は筑波大の庄司先生からの資料。この見分け方だとほとんどの保護者が虐待傾向に陥るだろうと思いますが、いかがですか。4項目で虐待だから、平常な保護者は全く少ないでしょう。「小言を言う」というのは入っていないようですが、これは⑫に該当します。

 

①、②、④、⑤、⑮などはよくある傾向で、それぞれの家庭で、躾に関する不文律な決まりがあるとすれば、上記の記述は参考にするという程度で良いのではないでしょうか。

 

虐待傾向は、保護者が子どもに日常的に叱り付ける行為ですから、1週間も2週間も間が開いていれば虐待にはならないだろうと思います。反面この項目の4種以上でなくとも、毎日小言を言われる子どもにとっては虐待であります。こんな辛いことはない。親が子どもに向かって傷つくようなことは絶対言ってはなりません。むしろ私だったら黙って一発殴られるほうがよい。

 

しかし虐待する側の親を一方的に攻め立てるわけには参りません。それにはそれだけの環境があるのです。例えば親は育てられたように育てるといわれます。虐待された経験のある親は虐待してしまう傾向にあります。それが子どもを育てる方法だということをDNAの中に組み込まれてしまうのでしょう。そのほかに育児不安が強いとか、夫の育児無理解。未婚の女性、精神疾患などが挙げられます。

 

男親の虐待は、ほとんどが経験から来る虐待と社会的孤独(不安)であると言われている。虐待という言葉の強さからすると、かつては、拷問に近いものだという印象があって、とても恐ろしいことなんだと言う怖れを持っていた。しかし今では頻繁に使われるようになった。一日も早くこの言葉が死語になることを願っている。