初等学部の理事長で、幼稚園の園長でもある港先生の熱い想い

集会委員会

集会委員会というのは、学校の全体会でその会議を取り仕切る委員会である。取り上げられたテーマは幸せボックスという箱の中に、だれでもよいから取り上げてもらいたいものを書いてその箱の中に入れる。集会委員会で取り上げられたものの中に『シャープペンシルは何年生から使ってよいのか』というのがあって先日全員で話し合っていた。全体会を開く前に、集会委員会のメンバーが私のところへ来て『先生はどう思いですか』と相談に来たことがあった。私は何年生が使ったっていいのではないかと思っていたけれど、子どもたちからするとそうではないらしい。どんなことでも一生懸命議論する姿に胸が熱くなる。

どうでもよさそうなことだと言ってしまっては子どもたちに申し訳ない。この学校には校則なるものがないから、何かを感じるたびに集会のテーマになる。階段を一つ一つ踏みしめるように、自分たちの自治を自分たちで決めて行く。時間がかかるようだけれども、子どもたちは社会の中のものを大人が決めるのではなく自分たちで決められると言うことを体験して、自立していく。その中で自分というものに気づいてアイデンテティを確立していくのだろう。集会後の子どもたちの顔はみな自信に溢れている。

それでどうなったのかと言うと、4年生から持ってきてもよいことに決定した。それにも理由があって1年生から3年生までは鉛筆を自分で削ったほうがよいということだった。そして4年生からシャープペンを持ってきてもよいが、①自慢しない・②遊ばない・③借りたら返す・④落書きをしない・⑤ちゃんと管理する・⑥ちゃんと字を書く・⑦分解をしない・⑧悪口を言わない・⑨交換をしない、などと思いつくままに約束事になっていく。子どもたちの決め事というのは、大人よりも厳しいものがあって、これに違反などしたら『まあいいか』などの妥協は一切ない。