初等学部の理事長で、幼稚園の園長でもある港先生の熱い想い

もうすぐ1年の締めくくり

暦では正月が1年の始まりだけど、私たちは4月1日が1年の始まりである。だから今は大みそかを迎えようとしている年の瀬である。1年の始まりがすぐだということではなく、1年1年の切り替えがあって担任になっている教師は、1年を振り返るというよりかみしめながら一日一日を送っているようだ。幼稚園では年長と年中さんの仕事の引き継ぎ式が終わり、今日は両園共に小学校の体験があって初等学部へ来ている。クラスを見て回ったり、講堂で小学生と遊んだり、一緒に昼食をとったりして、小学生とともに楽しく遊んだ。

講堂でじゃんけん列車みたいな遊びをしていて、幼稚園の子どもたちはそれぞれのトレーナーを着ているから、すぐにそれとわかるけれども、全員が私服で遊んでいたら、体の大きさで小学生の高学年はわかるけれども、あとははしゃぎ具合から見ていたら、幼稚園の子も初等学部の子も大差ない。全く屈託がなく同化し合っている。幼稚園の子どもたちの中に小学生をそのまま入れて置いたらどうなるのか、しばらく様子を見ていると、こちらで色々と話しかけるわけではないけれど、自然な形で小学生が幼稚園の子どもたちに気を使うようになる。自分たちの好きな遊びをしに消えてしまうなんて子がいないのだ。とても素晴らしい子どもの世界だ。

素晴らしい子どもの世界も、いつしか都会のあおりを受けて中学校受験などがあって、早くから受験体制を整えようとする。何をそんなに早めなければならないのかよく分からない。人間の発達真理とか発達理解から行くともっとゆったりと育てることの方がよいに決まっているのだが、良い大学へ入れるためには先手を売った方が良いらしい。脳科学者たちはどのように感じているのだろうか。脳科学者だっておそらく中学校受験に対しては賛成することはないだろう。中学校受験を考えている人たちは、小学校4年生から考えだす人もいる。鼻先にニンジンをぶら下げられて、これからずっと走り続けることになる。

誰だってどこの親だって、わが子をロボットのように学習マシンにしたいなどと思っている人はいないだろう。先手必勝は、学業の世界ではあまり通用しないのではないかと思う。先手必勝も、良い大学へ行けば何とかなるというのも、妄想か幻想である。あくせくしない方が良い。学業はびりでは困る、中よりはちょっと上にいてほしい。何よりもわが子が、自分の親は私が食わしていくという強い信念があった方が、人間として素晴らしい生き方をすることは間違いないのではないか。

学校では今ベーゴマの後はスケボーがはやっている。3年生だか4年生にせがまれてかったものだが、職員室の前をコンクリートを打ったものだからここで楽しく出来る。家でもやっている人がいると聞いたけれども、家でやっている人は道路でやっているようなので、とても危険であります。学校へ持ってきてやってもよいという許可を出したので、ご家庭のご理解を戴きたいと思います。子どもたちは覚えるのが本当に早い。