初等学部の理事長で、幼稚園の園長でもある港先生の熱い想い

隣の芝生

稲刈りがあちこちで始まったようで、そろそろ本格的になってきそうだ。第二幼稚園に行く時も、刈り取られた田んぼがあちこちに現れてきた。学校へ行くときにはわが校の田んぼを注意深く見ているが、近くの田んぼでは稲刈りがきれいに終わって、刈り後が線路のようにきれいに平行になっていて、機械で正確に植えられたことが物語っている。うちの田んぼの田植えは大体1カ月遅れで植えられたから、稲刈りもそのペースでやることになるだろう。気のせいなのか、心なしか隣の田んぼの稲穂の方が重く垂れさがっているように見える。

自分の家の芝生より隣の家の芝生の方が、碧く丈夫に生き生きと育っているように見えるものだ。とかく人はないものねだりが多い。自分の家の芝生は、文句も言わずに緑なし、人の目を楽しませてくれているのに、自分の家の芝生で我慢し ようではなく、自分の家の芝生の方がはるかに隣の芝生よりも勝っていることに気付いていない。わが子についてもそんなことがあるのではないだろうか。母親 が手を差し伸べると、無条件でその手を握り返し微笑んでくれるわが子が、とてもいじらしく愛おしいではないか。

明日は来年度の入園説明会である。初めて他人にわが子を預ける母親はどんな気持ちでいるのだろうか。あまり変な刺激を与えないように丁寧にお話ししよう。