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至極のドラマ

新年を迎え初出勤の日には、2学期の子どもの資料を先生達が読み込んで話し合う。

もう30年以上続いている風景だ。

子どもの話をしていると子ども達に会いたくなるのはどの職員も一緒だ。

子どもの心に触れると無意識だが自分の心がまろやかになっている。

そういえば12月末にこんな光景に出会った。

駅のホームに見送りに来た親子がいた。

一生懸命車内に向け手を振っているのは小学生の1年生くらいの男児。

母親もそばにいたが下の子かな、3歳くらいの男の子の手を握って並んで立っていた。

やがて電車が走りだし見えなくなると男の子は母親に背を向けて下を向き動かなくなった。

あふれる涙を腕でぬぐっている感じだった。

『母親に背を向けたのは恥ずかしさかな、ぐっとこらえているのは男の子だから?』、、、

すると母親が空いていた方の手でぐっとその子を抱き寄せた!

その子はすぐに母親の方に向き直ってお腹に顔をうずめて泣いていた。

 

すこしすると、3人は母親を真ん中にしみんなで手をつなぎ階段を下りて行った。

 

『良かった~、おかあさんがすぐに抱き寄せてくれて、、、』

そんなには長くない時間だったが、私にとっては至極のドラマに感じられた。

 3人の親子には一切の会話がなかったのが印象的で、その分こちらの想像力が増してしまった。

子どもの心が満たされるのを見られるって、なんと幸せなことか。

今年も子どもの心が満たされることを願い見守っていきたい。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。