園に来られた方の質問よりピックアップしました
自由保育は学級崩壊を招くという考え方はどう思いますか。
私はあおば台が自由保育だと言ったことがありません。
あおば台は子どもの主体性を育て心の内面の育ちに力を入れている保育です。
学級崩壊はこどもの内面が暴発を起こしている現象で、日頃の抑圧や、強制や無関心が引き金になっているものだと思います。
何と言っても家庭や学校の教育力の低下が最大の原因だと思います。
現在の幼児を取り巻く環境をどのようにお考えですか。
大きく分けると、自然環境と幼児のために大人が作り出している環境と社会事象と、この三つが基本に考えられると思います。
そう考えるといずれも理想的だとは言い難いと思います。
誰もが幼児期の重要性を訴えるけれども、本気で言っているのか首をかしげたくなるばかりです。
子どもをどうしたいのか、どう育てればいいのかと言った所を真剣に議論しない。
価値観が多様化している中で、国にも家庭にもビジョンがないように感じられます。
これから園として目標としていることをお聞かせ下さい。
保育者としてのプロ意識をもった職員集団です。
一人一人の教師がしっかりとしたあおば台の子ども像を持つことができることが当面の課題です。
一口に言って子どものあるべき姿をどのようにお考えですか。
いつも前向きで素直で生き生きとして眼が輝いている子ども。
大人でもそのように生きられることが望ましいと思います。
自由にやっていると落ち着きがなくなるなどと聞いたことがあります。
”自由”という定義が人によってはっきりしていないようです。
それぞれに解釈が違うと思いますが私の”自由”は自由にやりこなせるだけの力であり、何でもかんでも好き勝手気ままになる時間を言うのではなく精神的なものからくるのです。
もしそのような自由を満喫していたのなら立派な成人になることは望めないでしょう。
人は必ずどこかで無理をしたり我慢をしたりして生きていくものだと思っています。
時代の変化の中で園長先生の考えはどう変わりましたか。
子どもたちをどう育てて行けば良いのかという基本的な保育理念は変わりません。
核家族化が進み書物による情報が氾濫し、その整理だけでも母親はクタクタです。
そのために幼稚園は正しい情報を伝える発信基地でなければなりません。
それが”どんぐりくらぶ”という1~2歳児の保育になったわけです。
あるおばあさんが言っていました。「今の若いお母さんたちは偉いもんだ。じいさんばあさんに頼らなくても結構やっていける。毎日子どもと向き合っているのは大変なことだよ。」と。
その言葉を聞いたとたん「こうやらなければだめだ」ではなく、私自身がもっとお母さんたちの中に入って「たまには息を抜きなよ」と言わなければならないのだということに気がつきました。
預かり保育も給食も、それこそ心配しないで一緒にやって行こうというアピールなのです。
今まで園長職にあって嬉しかったことや辛かったことは何でしょうか。
あおば台幼稚園の運動会は数年前から卒園児の小学校6年生がお手伝いに来てくれますが、どの子も変な癖もなく素直に育っていてとても嬉しい。
卒園児と会えることが楽しみです。子どもたちと一緒にいて辛いことはありません。
何と言っても私がお山の大将ですからね、楽しいことばかりですよ。
最後に幼児をもつご家庭に望むことがあればお聞かせ下さい。
それぞれに悩みを持ちながら、そして少しばかりの期待を持ちながら毎日子育てに追われていると思います。
大変な仕事を担っているお母さんに何も要望することはありません。
一言あるとすれば、今あなたが悩んでいることは、あなただけが特別に悩んでいることではなくて、だれもが経験をしていることですから心配 は要らないと言ってあげたいと思います。
不安になることはありません。一緒に考えて行きましょう。