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NEW園長ブログ

絵本

絵本を読むときの自分の楽しみは、作者の背景に触れることだ。

今回の絵本に現代では使わない言い回しがあって(そういう言葉は子ども達が喜んで使う傾向もある)作者紹介欄を見ると文も作画も80代の方だった。

子どもの心を躍らせてくれる作者の年齢は、絵本には全く関係ない。

みずみずしい感性とはこのようなことなのか!

その絵本の魅力を瞬間でつかむあおば台の子ども達の感性もとても良いものだ。

 

20年位前に、「ゆかいなさんぽ」という絵本を初めて劇にした先生がいた。

その絵本の魅力を年中の子ども達が生き生きと表現した時の驚きと言ったら、当時の園長も私も『やられたなぁ!』と顔を見合わせ笑顔になった。

そしてその作者を調べたときにも本当に驚いた。

土方久巧氏は1900年生まれ。彫刻家・民俗学者で、南洋を取材して、、、とあり、絵本は本業ではなかったようだ。不思議な魅力にあふれる作画と文。

作風は、その方のたどられた生涯に深くかかわっているのだと感じた。

 

不思議な世界に誘う絵本「ゆかいなさんぽ」。

良かったら一度手に取ってみてください。

 

 

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絵本はハッピーエンドで

 

3学期。これまでの園生活の集大成となる生活が始まった。

 

ここからは、前のブログの続きの話。

至極のドラマを見せてもらったと感じたのは自分の心が満たされたからだったが、幼児にとって、お話の最後はハッピーエンドが良いとされている。

子どもが絵本の世界に入り、自分の気持ちを絵本の登場人物(動物)に重ねて、最後にハッピーエンドだと『あ~良かった!』と安堵する。

その安心感こそが、幸せの原動力となる。

夜なら安心して眠りにつける。

そんな役割を、すぐれた絵本は果たしてくれている。

 

これから年中長の子ども達は、絵本をもとに劇遊びの活動に入る。

あおば台は、やらせでない劇遊びをする。

今日は始業式で、楽しいことが始まるよと伝えた。

年少さんは年上の子たちの刺激を受け2月に入ってから始める。

先生たちはその準備に余念がない。

 

 

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至極のドラマ

新年を迎え初出勤の日には、2学期の子どもの資料を先生達が読み込んで話し合う。

もう30年以上続いている風景だ。

子どもの話をしていると子ども達に会いたくなるのはどの職員も一緒だ。

子どもの心に触れると無意識だが自分の心がまろやかになっている。

そういえば12月末にこんな光景に出会った。

駅のホームに見送りに来た親子がいた。

一生懸命車内に向け手を振っているのは小学生の1年生くらいの男児。

母親もそばにいたが下の子かな、3歳くらいの男の子の手を握って並んで立っていた。

やがて電車が走りだし見えなくなると男の子は母親に背を向けて下を向き動かなくなった。

あふれる涙を腕でぬぐっている感じだった。

『母親に背を向けたのは恥ずかしさかな、ぐっとこらえているのは男の子だから?』、、、

すると母親が空いていた方の手でぐっとその子を抱き寄せた!

その子はすぐに母親の方に向き直ってお腹に顔をうずめて泣いていた。

 

すこしすると、3人は母親を真ん中にしみんなで手をつなぎ階段を下りて行った。

 

『良かった~、おかあさんがすぐに抱き寄せてくれて、、、』

そんなには長くない時間だったが、私にとっては至極のドラマに感じられた。

 3人の親子には一切の会話がなかったのが印象的で、その分こちらの想像力が増してしまった。

子どもの心が満たされるのを見られるって、なんと幸せなことか。

今年も子どもの心が満たされることを願い見守っていきたい。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

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