初等学部の理事長で、幼稚園の園長でもある港先生の熱い想い

2001年1月の記事一覧

思うがままに

ホームページの威力とその危険性について、少しずつわかってきたような気がする。便利なものが発明されると、それをうまく利用してビジネスに直接転化して一躍脚光を浴びる人。またはそれを悪用して御用になる人。ホームページそのものには何の罪はないけれども、使う人によっては天使にも悪魔にもなりうる。願わくば善良な市民の楽しみの道具であり、企業の会社紹介ぐらいにとどめておきたいものだと思っている。自分の意志を自由自在にパソコンを駆使できる人には物足りなくなるだろうが、是非とも責任ある行動を取ってもらいたいと思う。
 ある友人から「あまり政治的には首を突っ込まないほうがいい」とご忠告を戴いた。かつては民青がどうだったのと学生運動に埋没していた彼であったが時代の変遷を痛感する。 
 樺美智子さん(この字でよかったかな)は60年安保の時に国会突入を謀り、機動隊ともみあって尊い命を奪われた当時東大の女性闘士であった。その手記の中で、会議中に後退的な発言をする仲間に何度も「日和るなっ」と檄を飛ばす場面が見られるけれども、歯切れが良くてうっとりする。勿論私はまだ小学生の頃の話だから、あとになって読んで「女性ってすごいんだー」と妙に感動した自分を思い出す。
 そのときの感動がまだどこかに残っていて、「日和る」ことは命をかけてもしてはいけないものなのかと、痛烈に心の中に刻み込まれている。しかしそれは青年の美学なのかもしれないとも最近では思うようになってきている。それにしても「戦争につながる日米安保絶対反対」は過去40年を振り返れば間違った判断であることが実証されているけれども、「安保反対」を唱えて純真な学生をかりだし、政治的な洗脳をしてその命を奪い、人生を狂わせた先導者は、一体誰でどのような責任を取ったのだろうか。樺美智子さんの人生はなんだったのかと無念さが残る。
 こんなことを書いていると、「幼稚園の園長なんだからそれに付随した物を書いたらどうだ」とお叱りを戴くことになるかもしれない。しかし思うに、保護者の皆さんは保育が、子育てが分からないから幼稚園に通わせているのではないでしょうし、要は私の言葉から安心というお墨付きをどこかで戴きたいと願っているのではないかと思っています。心配することはありません。保護者に勝る保育者など私は見たことも聞いたこともありません。
ご自分で感じたとおりに育てることが一番間違いのない育て方なのに、ある本にはこう書いてあったからと言って、その本のとおりに行ってうまくいかないと悩むなどというのが良く聞く話である。親子の感じあう感性を優先させることが親子の絆を深めることになる。いつでもどんなときでもとは言えないが、年中ぐらいまでは本を頼らないで、自分の感じたものに自信を持ってお子さんを抱きしめてやっていただきたい。
 その幼稚園をみるのには、トップが何を考えているかをみればその幼稚園のすべてが分かる。会社にあっては社長の人物像。家庭にあっては父母の考え方によって家庭の中が見える。最近では、父母というよりは思い切って言えば母親の考え方がとっても大事。
 だから私は、そういったことを踏まえながらも中傷を恐れずに、反論やご意見には謙虚に耳を傾け、自分自身の今頭の中にあることを書いていきたいと思っている。