初等学部の理事長で、幼稚園の園長でもある港先生の熱い想い

2010年1月の記事一覧

サバイバルが終わった

両園合同で行う初めてのサバイバルが、初等学部校庭で行った。少し風が吹いていて肌寒さがあったが、子供は風の子、この程度では音を上げない。校長は気温が低いのを気にして、未使用のクラスを温めて、そちらで食事をとったらどうだというようなことを言って気にかけてくれましたが、野外で薪を使ってうどんを煮ているのでそうもいかない。

 

ほぼ予定通り進行した。10時40分から50分までの間に到着し、まず校長先生にご挨拶をし、「よろしくお願いします」と元気な声で言うことができた。早速校庭に出て、桜の木の下で両園の子ども達が向かい合い顔合わせをした。そしていよいよサバイバル。

 

1周200メートルのトラックを15周した。今までは片道130メートルの所を10往復で2600メートル走ってきたが、今回は場所も変わったし、今までと同じにする場合はトラック13周となる訳だが、いかにも中途半端。そこで区切りよく15周にした。ルールは歩いてもいいが止まらないこと、おしゃべりをしながら歩かない。手をつないではいけない。それだけ伝えて、鍋がかかっているカマドのところへいって火を付けた。

 

保育者たちは昨日まで10州だと思っていたらしい。私がそう言っていたとのこと。年のせいか言ったこともよく覚えていない。しかし今までより少ない距離を走るのでは、子ども達もそれを知ったらがっかりするだろう。是非とも3キロも走ったことはあおば台始まって以来初めての快挙であると子どもたちに伝えて欲しい。

 

最初から歩く子はいないが、時間が過ぎると徐々に歩いている子が目立つようになる。それでも汗を拭きながら黙々と走り続けている子もいる。鍋の中の湯が沸騰するころには1着の子が「やった!」と私のところへ飛び込んできた。両園合わせての1着は第二幼稚園男子。2着はあおば台の男子。3・4と第二の男子。5着があおば台の女子。女子の1・2着はあおば台だった。1着になった男の子は他の仲間からも「駆け足はいつも速いんだよ」と言われていた。

 

続々と走り終わった子が集合してくると、「馬を見に行こう」とか「触ってきてもいい」などと言ってくる子がいて、次々に遊びを見つけている。しかし誰からともなく「まだ駆けている子がいるから応援に行こう!」という子がいて馬小屋からトラックへ小走りで移動が始まる。誰一人落伍者が出なかった。全員が走り終えた。よくやるよ子ども達。

 

次は「立派な年長」の導入があって、その次に生活発表会の劇遊びが始まる。子ども達のグループ名も劇の役柄になっていた。「泥棒グループさん」「警察グループさん」「忍者グループさん」とか保育者が呼んでいると、違和感もなくごく自然に集まってくる。楽しいな子どもの世界。

 

みんなよくやった。初めての経験の割には臆することもなく、堂々と最後までやり終えた。これからもそのような体験をたくさんしていこう。お家の方もたくさん褒めてやってください。あなたたちのお子さんはしっかりと最後までやり遂げることができる。何度でも頭をなでてやってほしい。

サバイバルの準備はOK

いよいよ3学期最初の年長のハードルが始まります。それは10数年前に始まった年長だけのサバイバル。最初の頃は、我が家の隣にあった背の高い雑草の生い茂る空き地で始まった。自分の身長よりも高い雑草の間を縫ってどこまでもまっすぐ歩くというものだった。仲間がいないと意外と心細いものだ。心細いものだから仲間の手をぎゅっと握って、互いに互いを頼る。ヒヤッとするその空間で、何かを発見してくるというものだが、そんな余裕はなかったかもしれない。大体20分ぐらいの時間だが、子ども達にとってはかなり長い時間に感じたかもしれない。

 

本来飽食時代に育った子達が、ちょっと厳しい、辛そうな活動をしたあと粗食に耐えるというものだったが、しばらくやってみたら、粗食が珍しく「こんなうまいものはない」ということになってしまった。いつの間にかサバイバルの後の食事が、とても楽しみになってしまっている。そうなると食事を用意する側もその気になって、少しばかりのバリエーションを加えるなどのことも無意識のうちにやってしまうものだ。

 

今年は青葉台初等学部で行う。初等学部の校長以下全員が快く迎えてくれる。あおば台幼稚園で保育者をしていた貴大先生が仲間に入ってくれる。どのようなことをするのかは私の頭の中だけにあります。ご期待を頂きたい。

 

昨日、私の友人が勤める大学で、保育者になろうとしている学生に話しをしてきた。講義と言って何かの教科を教えるというのは一切やめることにした。あの学生達が私から何を学び取りたいのかというと、レアな保育現場の出来事。質問の中に、仕事を速く覚えるのに何か秘策みたいなものはあるのかというのがあった。男子学生の質問であったが、真摯な態度でとても気持ちのよいものであった。

 

男女共にみんな優しい眼をしている。もっともっと伝えてやりたかったこともある。彼らが何も心配することなく保育者になって、いつも明るく子ども達と向かい合って毎日を過ごして欲しい。保育者になることに大きな夢を持ち、豊かな希望が持てただろうか。私にできることがもっとあったのではないかと省みる。私を呼んでくれた先生に感謝しながら、又一つ学ぶことができたことに「ありがとう」。

年長の役割

両園共に子ども達の弾んだ声が園舎一杯にこだましている。やはり幼稚園はこれでなくてはならない。子ども達のいない幼稚園はどでかい不気味な倉庫でしかない。いいな・・・子ども達の屈託のない笑顔。今の大人たちもそんな時代があったのに、どこかに置き忘れてしまった。いつの頃、どこに置き忘れてしまったのか。久遠返してみれば、どこかにぶち当たるはず。戻りたいとは思わないが、子ども達を前にすると自分が恥ずかしい。

 

年長はこの3学期で卒園してしまう。第2幼稚園で年長の合同集会があるというので、そこで「立派な年長」の話をさせていただいた。年長の保育者と前もって約束したわけではないが、タイミングがよかった。

 

3学期は特に年長さんに力を出してもらわなくてはならない。これからすぐに「サバイバル」がある。今年はあおば台と合同で初等学部でやる。自分の力をよく知って、まだやれると思ったら、力を出し切るのだ。そしてお友達を応援できる優しい心を持つ。

 

「生活発表会」がある。これはみんなが力を合わせないとできない。仲間のすごいところをみよう。そして一人でも多くの仲間の応援をしよう。仲間もきっと自分のことを精いっぱい応援してくれる。

年長さんのやることを、年中や年少さんが見ている。カッコの悪いことをしないようにして欲しい。幼稚園は年長さんという皆がいないとやっていけないのだ。皆の素晴らしい心がこの幼稚園を作っている。よろしく頼むよ。・・・・・このような話をした。皆の目は一直線にわたしのほうを見ている。目に力があって真剣そのものだ。

 

他人の口に戸を立てられない。ごちゃごちゃと外野が騒がしいようだ。理事の皆さんからも「おい、随分頑張っているな!」と連絡をいただく。私に何度も言わせないでほしい。私は子どもたちの幸せを見守るために初等学部を始めたのだ。思い違いをしている親の強引な欲求を満たすために始めたのではない。この先どのようなことがあっても不動不惑である。「子どもたちと共に生きる」。

 

建設委員長の高橋さん。かつて不動産鑑定士の国家試験を全国最年少で合格した秀才だ。つい最近まで破られなかったが、2~3年前に灘高の高校生に破られたということを聞いた。この人は法文を熟読しているから、文章に無駄がなくけれんみがない。人当たりも良く豪快で彼のファンも多い。私と苦難をともにした人だ。彼の意見を120%支持する。

明けましておめでとうございます

明けましておめでとうございます。今年も「ちょっと言わせて」をよろしくお願いいたします。

 

幼稚園は1月5日から2学期の総括の検討会が始まった。これは2学期に行った保育の反省をかねるものである。子ども達の普段の遊びの中の実践記録や中心となる活動の実践記録です。この中でも、第二幼稚園の中心となる活動の年長の実践記録は、運動会と遊園地ごっこ。あおば台も運動会と人形劇。年中や年少の話を書いていたら大変な量になるので、今回は年長に少しだけ焦点を当てて書いてみる。


あおば台の人形劇は、お話作りから始まって登場する動物や人物を作り、それに針金をつけて言葉に合わせて動かすというものだ。まず唐突にこれをやろうというような手法をとらないから、「人形劇をしたい」というようなグループの雰囲気にするまでの導入が大変。お話作りの途中で、うまく起承転結ができなくて「もう良い・・・」という子も出てくる。一瞬仲間の顔を見合わせ時間が止まってしまったり、先に進まなくなってしまう。・・・そんな気持ち分かるでしょ。

 

そんな時保育者の助言が入る。「どうすればお話がつながるの・・もう一度考えてみたら」気持ちを取り直して、話の続きをうまくつなげる。うまくつながった時は歓喜そのもの。次は人形を持って話をするが、人形を動かすことに気を取られて話がうまく流れない。又どうすれば良いのか・・・悩む。グループの一人が「録音したら!」と何かをひらめいたように生き生きとした弾んだ声で言う。グループの仲間もパーッと明るくなってニコニコしながら「せんせー録音するー!」と得意になって保育者に伝える。

 

第二幼稚園の実践記録は、運動会のタイヤ取りの模様を少しばかり紹介しましょう。第二の運動会は、インフルエンザの猛威をもろに受けて、年長のあるクラスは10人もの休みが出た。これは運動会当日の記録ではないが、どうしてもタイヤ取りの勝てないクラスで勝つのにはどうしたらよいのか子ども達が話している様子。「力を合わせて練習するしかないよ」「オーエス!オーエス!」声を合わせて頑張るぞ!。

 

私が年長の担任に聞いてみた。「オーエス!オーエス!」というのは一体何?。どうもこれは去年の年長から言っているようで意味は分からないという。私の隣に坐っている保育者がそっと辞書を見せてくれた。何とフランス語でロープを巻き上げる時の掛け声と記されていた。多分フランス語で綱引きなどに使う掛け声だろう。・・・一同ポカ~ン。まあ帰国子女も多いことだから、こういったことが結構ある。意味も分からないで掛け声を合わせているというのが面白い。想像してみて下さい。

 

子ども達はこんなに頑張っているのに、運動会当日負けっぱなしはかわいそうだ。しかし他の力は借りない、自分たちの力でやらなければ潔しとしない心がとても嬉しい。

 

誰がどのように言ったとか、子ども達の名前が出ている記録だから、保護者の皆さんも手にとって読んでみたいだろうなと思う。事細かに保育者の意図と考察も入っていて、その場面が手に取るようわかる。あおば台の子は完璧とは言わないが、きめ細かくよく見てもらっている。実践記録を読むと再認識する。

 

1月6日読売。こんな記事を目にした。「生きる力」とは、基礎学力だけでなく思考力、意欲、コミュニケーション能力などを総合した力である。今企業は、まさにそうした力の低下に直面している。人事担当者573人に実施した複数回答の調査では、若手社員の問題点として53%が「読み書きや考える力など基本能力の低下」を挙げ「主体性不足」51%「コミュニケーション能力不足」46%と続いた。

 

「企業は学生の基礎学力や生きる力に不信感を抱いており、チェックも厳しい」一流大卒、成績良好でも風当たりは強い。早稲田政経学部4年のA君は約25社に落ちて就職浪人を決めた一人だ。面接で「自分の言葉で話して」と言われ窮した。就活マニュアル通りの答えが目に付いたという。自分の言葉で語れるようになってやり直すつもりだ。・・・健闘を祈る。

 

明日はいよいよ3学期始業日。早く子ども達に会いたい。休みの子がいなく全員が元気に来て欲しい。