初等学部の理事長で、幼稚園の園長でもある港先生の熱い想い

2015年7月の記事一覧

わらのお家

わらのお家を作りたい。そしてそれは『婦ー!と吹けば飛んじゃうようなおうち』。どうやったら作れるのだろうか。とりあえず骨組みを作らないと形にならないので、いくつかの提案をした。分かったような顔をしていたけれど、空間座標の中の話は理解できるはずはない。そして『作って見れば分かるよ』と行ったら1年生から5年生までの子どもたちが首を縦に振ったので、やってみようということになった。昨日は竹取りに行って、今日は骨組みを作るのに、取ってきた竹を縦に8分の1ぐらいに割った。その時の子どもたちの真剣な顔・顔・顔。

人間が初めて道具を手にした瞬間である。子どもたちは道具を使いこなすと言うことが大好きで、そのためにはいくら時間を使っても構わない。何時までも何時までもやっているだろう。そしてまた道具が変わると、我先にとその道具によってたかって近づいてくる。文明はこうした人間の好奇心の蓄積によって開かれてきたのだと、人間誕生の数万年前の類人猿の時代に思いをはせることができる。このような状況の子どもたちなのだから、あまり先を急ぐことはあるまいと、つくづくそう思う。人間形成はゆっくりと醸成していくものである。わらのお家はしばらく時間がかかるだろうけれど、だれもが納得できるものにしていきたい。