初等学部の理事長で、幼稚園の園長でもある港先生の熱い想い

2016年1月の記事一覧

休みが多い

私は仕事以外にやることがないから連休が多いとうんざりしてしまう。一日中本を読んだりすることも最近では集中力が散漫で長続きがしない。本を読みながら違うことを考えたりして、一向にページが進まない。若い人たちや保護者の年齢の人が私と同じ考えでは、日本の国は滅びてしまうだろうけれど、私には週一回の休みがちょうどよい。とにかく仕事以外のことというのは自分にとってはつまらないことになってしまった。歳のせいだろうな。しかし私の仕事というのは、金もうけの話ではないから、いくら時間をかけてもくたびれないのが何より素晴らしい。むしろ楽しいから休みなど要らないはずだ。天職ってこんなものなのだろう。

初等学部の子は純粋培養されているから、とても気分のいい子たちばかりだ。これは学校の雰囲気ばかりで醸成されるはずはないので、ご家庭での普段の家族の雰囲気がとても和やかなのだろうなと思う。幼稚園というのは家庭のそのままの雰囲気が直接的に出てくるから、家庭での会話のやり取りや躾なども、すべて子どもたちが仲間の会話や行動で教えてくれる。そんな姿を見ながらにやにやしながら子どもたちの目を覗いているのだけれども、そんなことが日常茶飯事のごとくある。それが癖になってしまって、初等学部でも子どもを見ながらある程度のご家庭での雰囲気が推測できる。純粋培養されていると、世間に出て打たれ弱いのではないかと思われるが、社会で一番強いのはまっすぐに見れる目だ。

初等学部今年になって第一日目の日に、ある男の子が真剣な表情で担任に訴えているのを、私の席から見ていたのだけれども、どうにも私は耳が悪いのではっきりと聞き取れないでいる。その子は私の方を見ようともしていないので、私には関係のない話なのかなと思って、自分の仕事に戻った。すると担任が私のほうを向いて何やら話をしたそうな雰囲気なので、担任のほうへ向きなおって『何かあったの?』と聞いたら、アトリエ(大倉庫)のところにスピーカーを付けて欲しいと訴えに来たというのだ。

私がそばにいるのに私に遠慮しているところがなんとも可愛いではないか。私がよく『こんにゃく食べ方研究会』を職員室でやっているのだけれども、それがアトリエにいると伝わらないのでスピーカーを付けて欲しいということだ。全員が来たかどうかをいつも確認しているのだけれども、3時過ぎになってしまうと各クラスで話し合いがあったりして、帰りのバスに間に合わないと言って職員室を素通りしてしまう子もいるようだ。寄宿舎の工事が3月から始まるので、その時に電気屋さんにできるかどうか聞いてみようと思う。それにしても真剣に訴えるというのが面白いではないか。教師もまたそれに乗って真剣になったりして。